お母さんの好きなゲーム

ロールプレイングゲーム

 初め お母さんはアクションゲームをやっていました。
でもすぐに嫌になりました。なぜなら絶対に最後まで行けないのです。いくらやってもうまくならないのです。攻略本を見てやり方がわかっていても、その通りに操作出来ないのです。
 歳のせいなのかな・・・

 それでお母さんははロールプレイングゲームを始めました

 これは自分の思う通りに動いてくれます。

 お母さんは初めのうちは、ゆっくり冒険していこうと思います。
 すぐに終わってしまったらつまらないし・・・

 出来る限りいろんな所を調べたり、何度も同じ人と喋ったり、明らかに物語とは関係ないと思われる犬の鳴き声を聞いたり。そう、ゆっくりゆっくり・・・.

 なのに真ん中ぐらいを過ぎると今度は早く進みたくなります。

 次はどうなるのか早く知りたい。調度、読みかけの本をそのまま伏せておいて、他のことをやってるみたいに続きが気になって仕方がなくなるのです。

 そんなわけで途中から無駄な動きはやめて経験値を増やすことと攻略本を参考に少しでも先に進む努力を始めます。

 その努力のかいもあって、いよいよ最後に近づくと今度はまた初めの気分に逆戻りです。

 そうです、もう終わっってしまう!と思うと何とも言えない淋しい気持ちになってしまうのです。

 それで今来た道をもう一度戻ってみたり、スイッチを切って、さっきセーブした所からもう一度やり直してみたり。

 それでも、冒険は何時かは終わらなければならないんだ、と自分に言いきかせ、心の準備が出来たところで、最後の戦いを始めるのです。

 そんなふうに、自分がゲームにすっかりはまってしまうことを知っている母さんは、ロールプレイングゲームは、好きだけどめったにしません。

 お父さんがやっているのを見ると、しばらく羨ましそうに画面をながめているのですが、「やりはじめたら泥沼!」とつぶやいて、仕事場に入っていくのです。 


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